出産には、さまざまな費用や負担が伴いますが、幸いにも日本では出産を支援する制度やお金を受け取ることができる制度があります。ニュースでは「これだけじゃ足りない」とよく言われているけれどまずは基本をお伝えします。少しでもお金の不安をせずに出産に臨めたら良いですね。
つわりでしんどい時 傷病手当金
- 傷病手当金とは?
病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。 - どんなときに貰える?
傷病手当金は、被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。 ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。この制度、妊娠中につわり等の体調不良で休んだ場合も貰えることがあります。加入している健康保険組合等に確認してみましょう! - 貰える金額は?
加入している健康保険にもよりますが、大体はこの金額。詳しく知りたい人は自分の保険証に記載してある協会けんぽや健康保険組合のHPを確認してみてくださいね。
1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)
(参考:全国健康保険協会より)
私も1人目の子供を妊娠していた時はつわりで1か月ほど会社を休んでしましました。だけどこの傷病手当金のおかげで給料の約2/3のお金を貰えたので貯金を切り崩さすに過ごすことができました。ありがたやありがたや。妊娠は病気じゃないと言われることがあるけど、赤ちゃんをお腹で育てる大事な期間です。自分の体を労わりながら過ごしてくださいね。
妊婦検診費用の補助金
妊婦検診の費用って全額自腹って知っていましたか?今後、健康保険適用になるかもってニュースがあるけど今のとことは自腹。
その金額を軽減させてくれるのが各自治体が発行している妊婦検診の補助券。各自自治体によって異なるかもしれないけど、私の地域では母子手帳を貰った時に一緒に配付されました。
1人目の時はこの補助券のおかげで出産までの検診費用は数万円だったけど(地方)2人目を産んだ時は横浜で産んだのでこの補助券を使っても10万円ほど足が出てしまいました。この妊婦検診費用、地域によって金額が違うので全国統一して欲しいと切に願います。
赤ちゃんを産んだ時に貰える 出産一時金
妊娠4ヵ月(85日)以上の方が出産すると出産育児一時金が支給されます。
貰えるお金:一児につき50万円
健康保険組合によってはこの金額に加えて付加金がもらえることがあるのでご自分の加入している健康保険組合のHPを確認してみてください。以前私が勤めていた健康保険組合では5万円貰えましたよ。
厚生労働省が2022年に発表した「出産一時金について」の資料によると、令和3年の出産費用の平均はこちら。
- 全体:46万2,902円
- 公的病院:41万8,810円
- 私的病院:48万6,880円
- 診療所(助産院を含む):47万2,258円
子供を産んだら50万円もらえるんだったらおつりが返ってくると思う人もいるかもしれませんがこれはあくまで平均値。たしかに地方に行けば出産費用が安く抑えられる場合がありますが、私のように都市部で出産したら出産費用が50万オーバーなんてことはざら。正常分娩で入院は最短日数、大部屋でもこの金額なので自分が産みたい産婦人科の分娩費用をまず確認してみてください。
産休中に貰えるお金 出産手当金
健康保険に加入している人は産休中の期間、出産手当金を受け取ることができます。
出産手当金は出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休み給与の支払いがなかった期間を対象とし貰えます。
貰える金額は、1日当たりの金額
【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)
(参考:全国健康保険協会より)
上記の計算式ですが、各標準報酬月額と難しい文字がありますが、大体給料の2/3程度が貰えると思ていただけたら良いと思います。(詳細な金額が知りたいと思ったら上記の式で計算してみて)
産休で休んでいる期間もお金が貰えるのって嬉しいですよね。
育児休業期間中に貰える 育児休業給付金
雇用保険に加入していると、育児休業期間中に育児休業給付金を貰うことができます。この制度、正社員しか貰えないと思っている人もいるかもしれませんが、実は契約社員やパートの方も貰う権利があります。
1.育児休業給付金が貰える要件はこちら
①1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。
育児休業給付金の対象は、以下のア及びイいずれにも該当する休業です。
ア 被保険者から初日と末日を明らかにして行った申出に基づき事業主が取得を認めた育児休業。
イ 休業開始日から、当該休業に係る子が1歳(いわゆるパパ・ママ育休プラス制度を利用して育児休業を取得する場合は1歳2か月。さらに保育所における保育の実施が行われない等の場合は1歳6か月または2歳)に達する日前までにあるもの。
・ 産後休業(出生日の翌日から8週間)は育児休業給付金の対象外です。
産後6週間を経過した場合で、当該被保険者の請求により、8週間を経過する前に産後休業を終了した場合でも、産後8週間を経過するまでは、産後休業とみなされます。
・ 休業開始後に他の子に係る産前産後休業又は育児休業や、介護休業が開始された場合は、それらの休業の開始日の前日をもって当初の育児休業給付は終了します。
・ 被保険者とは、一般被保険者と高年齢被保険者をいいます。
② 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの
基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
過去に基本手当の受給資格や高年齢受給資格の決定を受けたことがある場合は、それ以降のものに限ります。
育児休業開始日前2年の間に、疾病、負傷等やむを得ない理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった期間がある場合は、当該理由により賃金の支払いを受けることができなかった期間を2年に加算することができます(合計で最長4年間)
③ 一支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること。
支給単位期間とは、育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間(その1か月の間に育児休業終了日を含む場合はその育児休業終了日までの期間)をいいます。
支給単位期間が1か月に満たない場合も、就業日数が10日または80時間以下かどうかで判断します。
(期間を定めて雇用される方の場合)
④ 養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。
※1 保育所等で保育の実施が行われないなどの理由で、子が1歳6か月に達する日後の期間にも育児休業を取得する場合には、2歳に達する日までの間。 労働契約が更新される場合は更新後のもの
2.貰えるお金
支 給 額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%
(育児休業開始から181日目以降は50%)
育休を開始してから180日は給料の約2/3,それ以降は半額と思っておきましょう。
色々と要件があるので育休については下記のリンクを参考にしてみてくださいね。
育児休業について(厚生労働省)
2人目を妊娠した時、私はパートとして働いていました。夫の扶養範囲での勤務でしたが、雇用保険に加入していたのでこの育児休業給付金を貰うことができています。パートだから貰えないと思っている人も支給要件を満たすと貰えます。ぜひ会社に確認してみてくださいね。雇用保険に加入しているか分からない人。まずは自分の給与明細の確認を!雇用保険の項目を見てみましょう。お金が引かれていたら加入している証拠です。
さいごに
日本では、出産を支援するためにさまざまなお金や給付金を受け取ることができる制度が存在します。出産手当や出産育児一時金など、妊娠中から子育て期までの段階で支援が行われることで、安心して出産と子育てに臨むことができます。自身の所得や家族構成に応じて、これらの支援制度を上手に活用して、新たな家族の一員を迎える準備を整えましょう。
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